シャルトリューズを飲むと彼女は2006年12月22日 21時34分13秒

BAR

オーセンティックなBARのカウンター、客は私たちの他はサラリーマン2人組だけ。
音楽もなく、400種類はあろうか酒瓶が並んでいる。
初老のバーテンダーはグラスを一つひとつ丁寧に磨いている。

私たちは、前の店で食べてビールや焼酎を飲んで二軒目である。
よく磨かれたカウンターの前に座り注文。
「ストラスアイラの12年、トワイスアップで。」
「私は、シャルトリューズ。」
「わかりました。お嬢さん、シャルトリューズは黄色と緑がありますが、どちらになさいますか?」
(うっ、40歳近い女性にお嬢さんか・・・ハハ)
「もちろん緑で。」
「緑ですと、アルコール度数55度ありますけど。」
「大丈夫、ストレートで。」
バーテンダーは背後のボトル棚から、迷うことなく注文のボトルを出してグラスに注ぐ。私の前にはストラスアイラのトワイスアップ、彼女の前にはシャルトリューズのグラスとチェイサーを置いた。

おいた瞬間、バーテンダーの動きが一瞬止まった。
私は彼女に聞いた、
「何かしたな?」
「ちょっとウインクした。」
(お~い・・・ウインクするか!)
一口すすって、「う~ん、美味し。」
私も一口飲んだ、アルコール度数が高いけど甘く飲みやすい酒である。

*シャルトリューズ
フランスのシャルトリューズ修道院でつくられた薬草系リキュール。黄色は40度、緑は55度。

二人ともグラスを空けた。
以前「シャルトリューズを飲んだら、今晩はもうどうにでもしてという気分になる。」と言っていた当人はケロッとしている。

次は
「マティーニ、うんとドライで。」
「私はアブサン、ロックで。」
(今度はアブサン・・・また強い酒を)
「お嬢さん、これも強いですよ。」
「うん、大丈夫です。」
バーテンダーは先のウインクで慣れたのか手際よく仕事をしている。
私はBARに行くと必ずマティーニを注文する。
ここのマティーニも美味しい。
彼女の頼んだアブサンは、香りが良く飲みやすい。
大丈夫かと心配することもなく、グラスを空けてしまった。

3杯目。
「そうだなー、ウゾーをロックでちょうだい。」
「私はブランデーをジンジャエールで割って。」
ふだんなかなか飲めない酒ばかり注文している。

バーテンダーが冷蔵庫からだしてきたジンジャエールは、ウィルキンソンのドライジンジャエール。生(き)で飲んでも舌がピリピリするぐらいドライである。
彼女は一口、「こんな美味しいブランデー・ジンジャーは初めて」と美味しそうに飲んでいる。

都会の片隅のBARで酒飲み2人の夜はふけていく・・・まだ飲むってか。

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この話は、三谷眞紀さんの昨晩のボンベイサファイアのblogのコメントのリクエストに応えました。
え~、事実です(^^;;