目から鱗、古いお酒の探し方2008年02月20日 20時52分51秒

阿佐ヶ谷のBAR
最近のスコッチやバーボンの味は全体に軽くなってきたといわれます。
ジョニーウォーカー赤とかホワイトホース、バランタインなど実売1,000円
ぐらいで売っている分が顕著です。
今の味覚志向にあわせてブレンドを変えているのでしょうけど、正直
同じバランタインでも昔のほうが美味かったような気がします。

今はウィスキーの出荷基準は世界標準で700mlでアルコール度数40度です。
EUなどの規制がかかるまでは720mlで43度が普通でした。

数年前、地方や田舎の古い酒屋で売れ残っているウィスキーを探そうという遊びがはやりました。
古いブレンドの美味いウィスキーを探すという遊びです。
そのため今ではほとんど見つからなくなってしまいました。

さて前置きはこのぐらいで、本題です。

2月のはじめ、阿佐ヶ谷のBARでのバーテンダーとの会話です。
ともかくコニャックを中心に酒のことをよく知っている心憎い
バーテンダーでした。

私はボトルの棚を見て、古いラベルのホワイトホースやヘイグなど3本見つけました。
「あれは古いブレンドのボトルですね。」
「そうですよ。」
「そのヘイグなんかどういう飲み方がいいでしょうか?」
「そうですねぇ、私はソーダ割りが相性が良いと思います。」
「それではソーダ割りで!」
で丁寧に作られたソーダ割りは、普段家で飲んでいるソーダ割より何倍も美味しかった。

バーテンダーは言いました。
「昔のブレンドはモルト50%でグレーン50%ぐらいでしたけど、今は70%ぐらいグレーンじゃないですか。」
*モルトは味や香りのベース、グレーンは無味無臭でブレンドの調整用ウィスキー。

「ちょっと前、古い酒屋で古いブレンドを探すことがはやりましたね。でも今はほとんどなくなってしまいましたよね。」
「もう無理でしょう。私のルートは骨董屋からなんです。」
「骨董屋ですか??」
「遺産相続とかで蔵を開けて骨董品を売ることってよくあるじゃないですか。お金持ち人たちはウィスキーをもらっても飲まずに蔵に片付けてしまいます。そういうウィスキーが何年も眠ったままで、蔵出しした時出てくるのですよ。そうすると骨董屋から連絡が来て我々が引き取るんです。骨董屋からするとウィスキーは価値が無いですから。」
「なぁーるほど、骨董屋か。」
「昔はウィスキーは高かったですから。贈答でもらっても飲まずにしまっておくというのが多かったので結構出てくるのですよ。」
「う~ん、目から鱗で納得ですねぇ。」

この日飲んだ「お宝」のウィスキーは確かに美味しかった。