Lapitaという雑誌の迷走2007年01月13日 00時01分38秒

ラピタ

2005年8月のblogでラピタという雑誌をご存知ですかという話を書きました。

ラピタ(小学館)は「大人としての遊びを楽しみ、人生を楽しむ」というコンセプトで、写真、オーディオ、鉄道模型や乗物、ファッションから時計まで趣味をメインとした40歳代以上を対象にして1994年に創刊されました。
目次の扉の「ラピタ」という名称の由来と、「この本は40歳以下の読者を想定していませんので、若者に意味不明な言葉があります。」というコピーがこの雑誌の特質を現していました。
こだわった編集内容で「遊び」を楽しむ姿勢が現れていました。
毎号、特集記事は、趣味人の遊び心いっぱいの特集でした。
また移動野外ハウスの設計建築、一本だけのワインクーラーやトースターをメーカーと共同開発したり、ワインを葡萄から作ってみたりとお金にならないけど楽しい遊びを企画していました。
日暮修一氏の表紙から最後まで統一されたコンセプトで編集されていました。

このblogの「大人の『遊び』を楽しみましょう」というタイトルはこの雑誌のコンセプトからいただいたものです。

その後2005年8月のblogで書きましたように、編集スタイルが変わりました。
誌名も「ラピタ」から「Lapita」に変わりました。
「趣味人」の雑誌から、40歳代以上オヤジを対象は変わらないのですが趣味だけではなく遊び全般の提案の編集になってきました。
部数の伸び悩みとマンネリ化で定価を下げて刷新を計ったのだと思います。
ベースとなるコンセプトは変わりませんでしたが、趣味性は薄まった感じはしました。

そして2006年10月から編集長が変わると編集方針がガラリと変わりました。
前DIMEの編集長だった方なので、読んで「これはDIMEの月刊版か」というぐらい変わりました。
まず田中長徳、室井佑月、いのうえこーいち、森芳久、杉崎行恭などの趣味人のコラム連載はすべて終了。
女性ソムリエとか女性スタイリストのコラムに変わり、特集記事は、BRIOかLEONみたいなってきました。
また同年代の40~50代の素人モデル、○○株式会社の××さんみたいなクレジットが入った写真が多く載るようになってきました。
以前のラピタの面影は一部の記事ぐらいになってきました。
そして「40代以下の人には意味不明な・・・・」というコピーは仲扉の目次からなくなりました。

12月号で一日有給休暇をとってリフレッシュしようという特集記事、一日フェラーリをレンタルするなどは良いとしても、夕方から彼女と箱根の隠れ宿に行って翌日一日は地元のレストランでこれを食べて、その夕方はもう一つの隠れ宿に泊まり、翌日早朝に東京にもどり出勤、予算は約30万円・・・こんな記事BRIOやLEONで何度も読んだよ。

1月号では、わが自慢の「鍋料理」の特集。
なんでLapitaで食べ物の特集なんだ。5年ほど前にラピタで初めて「食」の特集で「鮨」を扱ったら、読者から「ラピタが食べ物の特集なんて、そんなの他の雑誌にまかせておけばよい。」と轟々たる非難をあびました。これ以降ラピタは「食」の特集はしませんでした。
私は当時「鮨」の記事はラピタらしくて面白い切り口だなと思って読んでましたが、今回の中途半端な鍋料理の特集は読みながら首をかしげました。
「こんな特集、danchuをはじめ他の雑誌でもたくさんあるやん。」

そして2月号、髪の手入れの特集。
読者層の素人モデルの髪型や手入れのしかた。
いくらライフスタイルの提案でも、Lapitaの読者層が素人モデルのオヤヂの髪型を見て「おぅ、私もこの髪型にしよう。」と思うでしょうか。

今のLapitaは迷走しているとしか思えません。
おそらく創刊のころからの読者層で購読をやめた人も多いと思います。

ちょっと金をもった遊ぶオヤヂは「BRIO」や「LEON」のコンセプトだし。
40代からのライフスタイルを楽しむのは「一個人」「OFF」「男の隠れ家」などこちらも沢山。だいたいこちらはラピタの成功で発刊された雑誌群です。
40代以上のオヤヂが趣味を楽しんで人生を楽しもうというは「ラピタ」の優れたコンセプトです、後発の雑誌のコンセプトに迎合してしまったら特色が消えてしまうよ。

好きな雑誌だけに、もう一度オヤヂたち楽しませてくれる雑誌になってほしいものです。