地球家族2009年09月13日 17時05分39秒

地球家族
昨日、「地球家族 -世界30カ国のふつうの暮らし-」(1994年TOTO出版)という写真集を買いました。
この写真集は1994年、国際家族年の年に国連、世界銀行の後援で行われたプロジェクトです。
世界30カ国で統計上「中流」と言われる家族を選び出して、「申し訳ありませんが、家の中の物を全部、家に前に出して写真を撮らせて下さい。」ということで一つの家族と家財を全部並べて写真を撮った見開きのカットと家族の名前と家財リスト、次のページは撮影状況やその家族の日常をスナップした写真で構成されています。
つまり一つの国で4Pとなっています。

住んでいる家をバックに家財を庭や道路に出して家族写真。
財力と趣味などが一発でわかります。
一週間ほど撮影チームがその家族と一緒に生活し撮影するパターンです。
高層住宅に住むイスラエルの家族は車を含む家財と自分達が鉄板に乗りクレーンで吊るしての撮影など、労作です。

この写真集、発売された当時、本屋で見たのですが買いそびれてしまい、その後も買えずじまいで、昨日、ジュンク堂で見つけたときは驚き、即買いました。。
奥付を見ると2006年6月10日14版となっています。
写真集が14版というのもすごいけど。

ピックアップされている30カ国です。
マリ
南アフリカ
エチオピア
クウェート
イラク
イスラエル
スペイン
イタリア
ボスニア
アルバニア
ロシア
ドイツ
アイスランド
イギリス
アメリカ合衆国
アルゼンチン
ブラジル
ハイチ
キューバ
グアテマラ
メキシコ
西サモア
ベトナム
タイ
インド
ブータン
ウズベキスタン
モンゴル
中国
日本

この中で注目するのは撮影は1993年~94年なので、このときの世界情勢からするとクウェートは湾岸戦争の後、イラク、イスラエルも同様。
南アフリカはソウェトの家族、まだアパルトヘイトであった時代。
ボスニアに内戦の真っ只中、写真にも兵士が護衛で写っていたり、住居であるアパートに砲撃の後などすさまじい。
ロシアはこの写真の撮影後に家長が殺されている。
イタリアやスペインの閉鎖社会の部分を見せている。
アルバニアは鎖国していて家族の家財もロバが1頭など、ウズベキスタンやモンゴルはソ連崩壊後独立してからの状況。
ブータンは鎖国の時代。
タイ、インド、ベトナムや高度成長になる前の生活。
日本はバブルがはじけていた時代。東京郊外在住のウキタ(浮田)さんという家族。
家財とか見ていると日本の普通の家庭ですね。

そんな社会を映す写真集。
写真が良いのはもちろんスナップ、子供、各国の取材した家のトイレなど、私が好きな被写体ばかりです。
15年経っても色褪せていません。
この労作が1,987円で買えます。

もし、今、同じ企画をしたら30カ国、どの国をピックアップしましょうか?
えーと・・・