昨夜、新宿のBARで2011年06月19日 17時20分13秒

昨晩、新宿のなじみのBARで飲んでいました。

まず、最初はベル・ヘイブンIPAを1パイント。
(英国のインデアン・ペール・エール)
ちょっとぬるめの味の濃いビールです。

HB3

肴は、オリジナル・ピクルス、ハギス、フィッシュ&チップスとスコットランドスタイル。
フィシュ&チップスは英字新聞で出てくるのがお約束。
ビネガーをジャブジャブかけて食べるのが英国スタイル。

HB1

2杯目は、「がつんとくる、癖のあるシングルモルトをお願いします。」のリクエストででてきたのが、アードベック12年。
瓶詰め業者のオリジナルボトル。
アルコール度数57.5%。
加水無しのオリジナル。
ガツンときて、海の味がして、スゥーッと引いていくアイラ・モルト。
いや、美味しい。

HB4


3杯目はミント・ジュレップ。
やはり、甘くないレシピで同じ私が作るより2周りぐらい上である。
K氏は、ちょっと「レモン果汁」を入れるのですよ、そうすると爽やかに仕上がります。
今度真似してみよう。

HB2


K氏のカクテル作る所作はとても滑らで美しい・・・流石だ。

HB5


棚のボトルに目が止まった。
「あのロング・モーンは?あの色はシェリーカスク(樽)熟成ですよね。」
「気がつかれましたか。ロング・モーンの40年熟成のシェリー樽のフィニッシュです。」
「・・・・1ショットおいくらですか?」
「3,800円です。」
「すみません、ハーフでお願いします。」

グラスを回して香りを嗅ぐ。
甘くて濃密な香りが鼻腔を刺激する。
一口、豊かな香りと甘く柔らかい口当たり。
「うんまい!」の一言。

5杯目。
口直しにバーボンのソーダ割り。
「柔らかいのと強い感じ、どちらがいいですか?」
「じゃあ、柔らかい感じで」
バーボンの知らない銘柄でソーダ割。
家で飲んでいるバーボンのソーダ割りとは別物。

最後はドライ・マティーニでフィニッシュ。

Kさん、今日も美味しいお酒、ご馳走さまでした。


海外旅行記更新・・・トンレサップ湖編2011年06月26日 14時48分45秒

カンボディア06
カンボディア旅行記更新しました。
「トンレサップ湖へ」「夕暮れのシェムリアップ」の2編です。
また覗いてみてください。

http://eurasia-walk.sub.jp/abroad/2011cambodia/2011cambodiatop.html

30年ぶりの「噂」2011年06月30日 21時36分49秒

噂
Amazonを使ったことがある人ならご存知かと思うが、「ogawaさんにお勧めのものがあります。」というメールが毎日のように届く。過去の購入や閲覧の履歴から好みのモノを案内するメールである。
先日、そのメールでフリートウッド・マックの『LIVE』の案内があった。

フリートウッド・マック・・・1970年代~80年代にかけて一世を風靡したロックバンド。当時のメンバーはリーダーのミック・フリートウッド(ds)、ジョン・マクビー(b)、クリステーン・マクビー(vo.key)、リンジー・バッキンガム(vo.g)そしてスティービー・ニックス(vo)の5人。

「マックのライブか。懐かしい。」
このアルバムは、LPでは持っているが、CDでは持っていないので30年ぐらい聴いていない。
普段は1998年に再結成した際にリリースした『ザ・ダンス』というアンプラグド・ライブのCDを聴いている。
この『LIVE』はメンバー全員が20代後半から30代前半で、人気絶頂でもっともパワフルであった時代のライブであるので即購入。

さて前振りはここまで。

その後「この商品を購入した人はこれも購入しています。」とマックのアルバムリストが表示された。
その中に「噂」(デジタルリマスター、30周年記念のデモCD付)があった。

『噂』(RUMOURS)は1977年リリース、全世界で3,000万枚を売ったモンスターアルバムである。
これは単にアルバムが売れただけではなく、多くのアメリカ人が「RUMOR」のスペルを「RUMOUR」と書くようになったとか、クリントン大統領の2期目の就任式でかかっていたのは『噂』に収録されている「ドント・ストップ」であったとか、それだけ社会に影響を与えるほどのアルバムであった。

私も当時このアルバムを買い、文字通り溝が擦り切れるまで聴きLPを買いなおし、アルバムを録音したカセットテープのテープが伸びるまで聴いたものである。
このアルバムもCD化されても買っていなかった。

それ以降に出たベストやライブなどで聴きたい曲は持っているので、『LIVE』『噂』をあえて買いなおすようなことはしていなかった。

しかし、その『噂』のデジタルリマスターに収録曲のデモ版までついているとあらば買わねばなるまい。

日曜日の午後、家人は出かけていて誰もいない
パソコンではなくオーディオで大音量で正面から聴くことにした。
KENWOODのCDプレーヤーのアンプとJBLのスピーカーの組み合わせはジャズやロックに相性が良い。
30分ほど音出しをしてアンプも暖まり、スピーカーの音の堅さも取れたところで本番。

まず『LIVE』
オープンングは「マンデー・モーニング」。
この曲は東京公演での収録。
聴きなれている曲だが、ライブではいきなりアクセル全開である。
「セイ・ユー・ラブ・ミー」「ドリームス」と続き、そして「セーラ」。
スティービーの低く太く良く伸びる艶やかな声が爆発する。
スティービーの声の質は「かわいい」「爽やか」とは対極にあり、私はこの声がとても好きである。
リンジー・バッキンガムはピックを使わない演奏スタイルで曲をリードする。
ミック・フリートウッドとジョン・マクビーの正確なリズム、そしてクリステーリン・マクビーの華麗なボーカルと軽やかなキーボード。
そして曲によってスティービー、リンジー、クリスティーンとリードボーカルが変わる。最後の「ファーマーズ・ドーター」まで約90分。
同じライブでも『ザ・ダンス』の慣れた上手さとは違い、パワフルでスピードがある演奏は絶頂期のマックらしい演奏である。
聴いているうちにゾクゾクしてきた。
そして最後は「ファーマーズ・ドーター」で締めくくり、おもわず最後に拍手をしてしまった。

つづいて『噂』
アルバムを通して聴くのはほんとに久しぶりである。
当時、このアルバムを聞いていた時、「セカンド・ハンド・ニュース」や「ドリームス」など暗い曲や逆に「ゴー・ユア・オウン・ウエイ」や「ドント・ストップ」のようにメッセージ性の強い曲など、なんか変な組み合わせだなと思っていたが、今回、その謎がわかった。
この『噂』のレコーディングの前に、スティービーとリンジー、クリスティーンとジョンは共に離婚し、またミックも夫人との離婚でメンバーの人間関係はズタズタであった。
つまり、自分の気持ちや相手へのメッセージが曲となってアルバムが構成されている。
そしてアルバムタイトル『噂』は、まわりが「あいつらどうなるんだ?」という噂からきている。
そんな環境で顔を合わせてこのアルバムを完成させたこと自体が奇跡なのかもしれない。
1曲目「セカンド・ハンド・ニュース」から「ドリームス」「ネバー・ゴーイング・バック・アゲイン」「ゴー・ユア・オウン・ウエイ」「ドント・ストップ」など曲の構成、歌詞などの耳の記憶が蘇ってくる。
最後の「ランドスライド」までの12曲は一つパッケージとなってアルバムとなっている。「ドリームス」や「ゴー・ユア・オウン・ウエィ」はiPodに入れているので普段でもよく聴いているが、アルバム通しで聴くと印象がまったく異なったものとなる。

実はこのアルバムには一つ仕掛けがされている。オリジナルの11曲にプラスして当時アルバム収録時間がオーバーするために収録が見送られた「シルバー・スプリングス」も収録されている。(LPレコードは片面23分以内が基準)
(「シルバー・スプリングス」はライブやベストなどに収録されているので初めて聴く曲ではない。)
オリジナルの全11曲にこの1曲が加わったが何の違和感もなく繋がっていった。
「いや、やっぱりマックは凄いわ。」と一人唸っていた。

しかし2年後にに出したアルバム『タスク』は期待が大きすぎた反動で内容は素晴らしいのに評価が低く売り上げも伸びず、1987年リンジーの脱退やメンバー交代などを繰り返していたが、1997年のアンプラグド・ライブのためにこの5人で再結成するまでは低迷時期に入ることになる。

そしてボーナスディスク。
デモということでアルバム収録前の曲である。
なるほど「セカンド・ハンド・ニュース」「ドリームス」などもメロディラインは変わらないが演奏がシンプルであり、未完成のラフさが面白い。
また後にスティービーのソロアルバムで収録される「シンク・アバウト・イット」は発表時に近い仕上がりだが「プラネッツ・オブ・ユニバース」はイントロを聴いただけはわからない程であった。
最後の「フォー・ダスター(ザ・ブルース)」はブルースのセッションである。
もともとフリートウッド・マックは、1960年代後半ミック・フリートウッドとジョン・マクビーが中心になって結成されたブリティッシュ・ブルース・ロックバンドである。
その後、何度もメンバーチェンジをして1975年にスティービー・ニックスとリンジー・バッキンガムが加入して一躍トップバンドとなったのである。
「フォー・ダスター(ザ・ブルース)」は『噂』の収録の合間に昔(?)を思い出してセッションしたのであろうと想像できる。

パソコンやiPodで「何々しながら」聴くのではなく、たまには正面から音楽を聴くことも大事だな。
3時間あまり、気持ちよく音楽を聴いて楽しんだ日曜の午後だった。