一枚の絵2005年08月17日 16時31分27秒

祈る親子の絵

私は旅先では自分用のスーベニールとか記念品のたぐいは殆ど買いません。
せいぜい食材を仕入れるぐらいです。
今回は、自分のためにスーベニールを買うという珍しい話です。


ミャンマーを離れる前日の午後、私の財布には20US$相当の200,000ミャンマーチャットが入っていた。 今晩の晩ゴハン代、明日の空港までのタクシー代等を引いても、100,000チャット残る計算である。
チャットは再両替できないので使い切ってしまわなければならない。
一流ホテルのBARで飲むことも考えたが、こういうところはUS$払いなので「チャットを使いきる」事にならない。

とりあえずボージョー・アウンサン・マーケットという巨大な市場に向かった。

あちこちから物売りに声をかけられたが、どうも気が乗らない。
1時間近く歩いて、絵画を売る店の1店で冷やかし半分で絵を見せてもらった。
その中で、何枚か気になる絵があった。
どうやら作風から同じ作者である。
店の大将は、「この作者は、ミャンマーでも有望な若手作家である。この作者に目をつけるとは、あなたはセンスが良い。」と、この作者が雑誌で紹介されたコピーを見せながら説明してくれた。
確かにサインは同じである。
まぁ、後半は売るための言葉だから捨て置いたが、確かに腕は良い。
私は絵は描かないが、見るのは大好きである。
「で、この絵いくら?」
「20US$」
この国では相当高額である。
言い値を払ったら財布が空になってしまい、また両替をする必要がある。
闇両替だから手間がかかるので、これ以上両替はしたくない。
しばし考えた・・・
私が黙ったら、大将は別の絵を出してきた。
同じような風景画で、大将は「この絵は、この作家の絵を模写した別の作家の絵であり・・・3US$」と言った。
ひとめでわかるほど稚拙である。
いくら安くてもこんなのいらない。
やっぱりオリジナルだ。

さて交渉。
私は財布を出した、100,000チャットは市場に来る前に別にしたので、財布の中は残り100,000チャットである。
財布の中を全部明けて、大将に見せた。
「私はこの絵が大変気に入った。しかし、今、私の手元にはこれだけのキャッシュしかない。なんとかならんか。」
私は小額紙幣まで含めて全部渡した。
大将は枚数を数えて、しばし考えていた。 妹らしい女性と相談したりして・・・一言。
「もう10,000・・・プラス」
私は、別のポケットから10,000チャット出した。
110,000チャット(=11US$)商談成立である。
日本に持って帰るということで、丸い芯に丁寧にまいて、カバーをかけて、そう上からビニールで覆い濡れないよう包装してくれた。
握手して笑顔で別れた。

もう少し交渉できたかもしれないが、チャットを使い切ることが目的だったので結果には満足である。

絵は舞台はおそらくバガンで、パゴダから祈る親子の構図である。 水彩の淡いトーンが美しい優しい絵である。

帰国してから絵を見て気がついた・・・この絵の構図は、私の写真の構図の取り方と似ているということを・・・



さて、これからこの絵に合う額を買いに行きましょう。
おそらく絵より額の方が高くなりそうだが・・・

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