写真を見るため東京へ2008年11月02日 20時27分56秒

ヴィジョンズ・オブ・アメリカ
昨日、東京に行ってました。
目的は東京都写真美術館での企画展示「ヴィジョンズ・オブ・アメリカ」の第3部「アメリカン・メガ・ミックス」1957-1987を見に行くことでした。
7月に公開していた第1部「星条旗」1839-1917、9月から公開していた「わが祖国」1918-1961、この企画展を見るために3度東京に行きました。

アメリカという国のフォト・ジャーナリズムの歴史。
1部は写真史の初めという感じで、フォトジャーナリズムの黎明。
でもアメリカという正義の始まり。展示の最後の「アメリカ移民」などの写真がフォトジャーナリズムを感じさせてくれました。

2部は、グラフ雑誌「LIFE」が創刊されフォトジャーナリズムが全盛となり、一方ドキュメンタリー写真など全盛となってきます。
アンセル・アダムスやエリオット・アーウィット、そしてマグナムの一派など、日本人は三木淳、名取洋之助や石元泰博など写真史のお手本のような写真が展示され、そしてアメリカという国の強さを感じさせてくれる展示でした。
この企画はスゴイと感じ入ったものでした。

そして第3部。
正直、加工した写真とか見せられるのか不安でしたが。
いい意味で裏切られました。
60年代、公民運動やベトナム戦争の写真の数々。
シンディ・シャーマンやユージン・スミス、ロバート・クライン、エリオット・アーウィットなどアメリカの日常を切り取った写真。
私が好きなダイアン・アーバスの狂気を感じさせるネガティブな写真の数々。
奈良原一高のアメリカのロードムービーの写真。
そしてラリー・バローズ、沢田教一、石川文洋、岡村昭彦のベトナム写真、足が止まってしまった。

アメリカのジャーナリズムが、正常に機能して世界のトップにあった時代。
その力強さを遺憾なく発揮していた時代。
う~ん、満足。

そして最後のスペースが面白かった。
アンディ・ウォーホルの後にとってつけたようのメイプルソープや杉本博などの写真。
メイプルソープの狂気のポートレートは2点だけ。
杉本博は1点のみ。
もっと見たいぜ。

アメリカン・ドリームという言葉が生きていた時代の記録。
3部ともわざわざ東京まで見に行ったかいがありました。

その東京都写真美術館の近くではバカラのシャンデリアが設置されていました。
昨年は夜に行きましたが、午前中だと太陽の光を受けて7色に分解されて美しく輝いていました。

バカラのシャンデリア
http://eurasia-walk.asablo.jp/blog/2007/12/03/2470723


そして午後、代官山に出てTOTOのショールーム「間」。
ここで安藤忠雄建築展。
あの出世作「住吉の長屋」を再現してあります。
大阪にあるんですけどね、人が住んでいるから入ることができないのですよ。
それに「光の教会」の1/10の縮尺模型など・・・楽しませてもらいました。

コメント

_ 三谷眞紀 ― 2008年11月04日 08時21分59秒

私も二日続きで、「ヴィジョンズ オブ アメリカ」「安藤忠雄展」の鑑賞記を書いたばかりですが。
(みんな、読んでね〜。)
ふだんはなんとも感じないけど、こういうとき、東京はいいなと思いますよ。
これだけの力のある企画展はなかなかないことです。
TOTOショールームは入場無料だし、東京都写真美術館も都の運営で安いしね。

ヴィジョンズ オブ アメリカは、私も3部通しで2回ずつ見に行きましたが(近くていいでしょ)、なんというか、初心に帰る気分というか。
カメラをやらない自分が言う言葉ではないけど、鑑賞者としても、純粋に「写真ってカッコイイ。この写真家の写真はカッコイイ。フォトジャーナリズムってカッコイイ」等々と心を躍らせて見ていたときの気持ちに立ち返らせてくれる展示だったと思います。

自分のブログにも書いたとおり、今、猫も杓子も写真を撮るから、PCの画面上で毎日毎日ひとの写真は山のように見ているけど。
絵でも音楽でも文章でもない表現で、一枚で心に焼き印を押されるような、「写真」という手段ならではの良さの原点に戻してくれるような企画展でしたねえ。

_ ogawa ― 2008年11月04日 20時50分04秒

>眞紀さん
大阪に住んでいるとこういう企画は羨ましいですね。
まず来ないですし。

ヴィジョンズ・オブ・アメリカは「格好いいアメリカ」を象徴していますね。
そして私の世代が一番影響を受けたカメラマンが多く出た時代でもありますね。
3部作通して見に行って良かったです。

写真一枚一枚に余分な解説もないし、シンプルな展示方法ゆえに写真の力を認識できました・・・パソコンのモニターで見るのではなく引き伸ばしたプリントのほうが写真の力を感じさせてくれますね。

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