タンカレー・マラッカ・ジン2013年06月25日 21時17分49秒

 北森鴻は、自身の作品の中で料理や酒を効果的に使い、どれも「飲みたくなる」「食べたくなる」と思わせるほど描写が上手い作家でした。

その作品の中で、入院中の主人公が助手にタンカレー・マラッカ・ジンとノイリー・プラッドという2種類の酒をそれぞれスキットル・ボトルに詰めて病室に持ってこさせるシーンがあります。
この2種類の酒を合わせると「マティーニ」です。

主人公は病室で「やはり、ジンはマラッカ・ジンが一番上手い」とつぶやくのでした。何度もこのマラッカ・ジンは登場するので、かねがね私は飲んでみたいと思っていました。

3年前、新宿のなじみのアイリッシュ・パブ「ヘーゼルバーン」に行った時、一流のバーテンダーであり支配人であったK氏に「タンカレー・マラッカ・ジンってご存知ですか?マティーニにとても合う美味しいジンだと聞いたのですが、どこにも売っていなくて。」と尋ねました。
「ogawaさん、かなり前に生産が終了し、市場にもめったに出てきません。私も飲んだことがありますが、とても美味しいジンです。」という返事。
あれあれ、私にとって幻のジンになってしまいました。


2週間前、高槻のお世話になっているBAR「Agit」で、ここはバーボンが充実している店ですがジンも珍しい種類のボトルを扱っていて、この日もめずらしいジンを飲ませてもらっていました。
「マスター、このジンも美味しいですけど、タンカレー・マラッカ・ジンというのがあって、それがマティーニによく合うジンらしいのですが、生産が終了して幻のジンなんだそうです。ご存知ですか?」
「ogawaさん、実は、復刻されて秋にはウチにも入荷する予定です。」
「ほんとですか!?その時は私用に一杯分残しておいてください!それでマティーニを作ってください」とお願いしたのでした。

タンカレー・マラッカ・ジン


22日の土曜日、22時。再び新宿。ヘーゼルバーンのKさんが独立して開店した店「After Taste」で飲んでいました。
「Kさん、以前お話したタンカレー・マラッカ・ジンですが。どうやら復刻生産したようですよ。私の地元のBARでは秋に入手できると言っていました。」
「ogawaさん、実はすでに一本手に入れていますよ」とボトルを出してこられました。
「おおっ!さすが、Kさん。すみません、これでマティーニをお願いします。ベルモットはノイリー・プラッドで」
「ノイリー・プラッドがありませんので別のでいいですか?」
「もちろん」
出てきたマティーニ・・・一口、小山さんの作るマティーニはいつも美味しいが、ドライな感じがよくあっています。と、ここまで。
この日は夕方から飲んでいて、脳みその半分はアルコール漬けの状態のため判断が鈍っていました。
でも、満足です。
今度は素面の時に来て、脳と舌が正常な時にもう一度マティーニを作ってもらいましょう。(笑)

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログのキーワードは?
答:大人の遊び
と下に書いてください。(スパム対策です。)

コメント:

トラックバック