今日の一枚・・・ある街角2007年02月14日 20時45分35秒

今日の一枚は、私の代表作といえる一枚です。
この時の撮影データは不思議と覚えています。



1986年12月29日の朝10時ごろ、ネパールのカトマンズ、カメラはNikonF3に70~210mmズームレンズの210mm側。シャッタースピードは1/60、絞り開放のf4、フィルムはKodak Gold400(ネガカラー)。
8時ごろから朝靄のカトマンズ市内を歩いてダルバール広場から路地の奥に入った所です。
手持ちで焦点距離から換算すると手ブレになるぐらいの低速シャッターでした。
「ブレるなよ。」と祈りながらシャッターを切りました。
結果として、この旅での最高の一枚となりました。

この写真は1987年の雑誌AB-ROADの写真コンテストの月刊1位になり、年間2位に入選しました。
過去にキリ番のプレゼントなどで「ご希望の写真差し上げます。」としたら、一番希望が多かったのがこの写真。
もう何枚焼いたことか。

街の雰囲気、人の動き、構図が「旅に出たい。」「この街角に立ってみたい。」という気持ちを駆り立てる写真だと思います・・・オッ、自分で言うか(^^;;

でも、この写真が私を縛ることになりました。
旅に出るたびに「あの写真より良い写真を!」と意識するあまり、似たような構図で撮ることを繰り返しました。当然超えられる写真など撮れる筈もなく凡庸な写真ばかりあがってきました。
「あれはあれ。」と踏ん切りがついたのは1992年のトルコ・ギリシャの旅でした。
この時からズームレンズの使用をやめて35mmと90mmの単焦点2本のレンズだけで撮影するようになりました。
呪縛から抜けるのに6年の時間が必要でした。

今回の写真展のためにこの写真を引き伸ばしました。
伸ばせば伸ばすほど映える写真です。
あれから20年、相変わらずこの写真を見ながら「オレはこの写真を超えることができたのか?」と自問自答しています。

-----------------------------

REAL2【りある2】
インターネットフォトグラファーのリアルな作品展

http://sansyo.pupu.jp/real/

日時:2007年2月23,24,25日
      12時ー19時!
場所 :Gallery & Cafe 「風蝶庵」
  京都市 中京区 蛸薬師通 御幸町西入る 蛸屋町158
   (ケーキカフェ併設)
電話:075-212-4521
URL:http://www.fuchoan.com/gallery.html

美人女将と、美味しいケーキがおまちしています。

そしてこの写真も展示します。
-----------------------------

コメント

_ 三谷眞紀 ― 2007年02月14日 21時28分51秒

久しぶりの、心臓ど真ん中直撃記事。
スンゲエカッコイイ。
こういう話。なにもかも好きです。

_ ぴよ ― 2007年02月14日 22時26分00秒

本当にいい写真ですね。
素直に心に入り込んで旅情を呼び覚ます。
ウケを狙った1枚じゃない。でも完璧な構図と完璧なタイミング。

パッと見て、どこの国のどの場所を撮影したのか判らない。
でも確実に日本ではない、どこかの国のどこかの場所・・・
というのも旅情を駆り立てる理由なんじゃないかと思いますよ。
ぴよはパッと見て直ぐにどの国で撮影したのか判るような
建造物や民族衣装、風景を撮りたがる傾向があります。
自分の写真に対するヒラメキとセンスに自信がないから
被写体に頼りたいんだろうと思う。

たった1枚の写真だけど・・・凄く勉強させられる1枚です。

_ qoo ― 2007年02月15日 01時27分00秒

>街の雰囲気、人の動き、構図が「旅に出たい。」「この街角に立ってみたい。」
という気持ちを駆り立てる写真だと思います・・・オッ、自分で言うか(^^;;

だと思います。
レンズでも年月でも縛りでもないと思います。

だから
写真の神様とオガワサンが合体したのだと思います。
きっとオガワサン自身がご自分で気付いてる^^
だから
きっと欲張りすぎて写真の神様が出没してる瞬間を見過ごしているそんな気がするのです^^
肩肘張らずに欲張らずに...
楽しんでいつも通りにカメラと気合を合体させて撮ってくださいよ~~~~♪
きっとすぐに写真の神様は登場するはずですから(微笑)
大きくなった紙焼きにあえるのを心待ちにしていますん。

_ kabun ― 2007年02月15日 08時37分14秒

たしかに写真の神様が降りてるますねーー;)
とくに高倍率ズームの最大値というのもポイント
このレンズじゃないと神様逃しちゃってましたね。

やはり、テクニックも機材も虫取り網。
神様発生中にいかに物にするかですね。

それもりあるの参加者をお招きするときの
サブテーマなのです。
「おきらくに神様見つける目」をもった作者のあつまりの
はずなので。

でかい写真で見るのたのしみーーー

_ ogawa ― 2007年02月15日 20時56分27秒

>眞紀さん
お世辞を言わない眞紀さんにストレートでほめてもらうと
やっぱり嬉しいですね。
ありがとうございます。

>ぴよ姉
いやいや私もその国の固有のモノを撮ろうとしますよ。
あの後呪縛に縛られたとき、カトマンズに行けば同じ
写真が撮れると信じたぐらいですし(^^;;
この写真はqooさんやkabunさんが書いてくれている
ように写真の神様が降りてくれたのでしょう。

>qooさん

>きっと欲張りすぎて写真の神様が出没してる瞬間を見
>過ごしているそんな気がするのです^^
>肩肘張らずに欲張らずに...
>楽しんでいつも通りにカメラと気合を合体させて撮って
>くださいよ~~~~♪

そうなんですよ。
この後、数年は肩肘はって縛られました。
92年に呪縛がとかれて、時々、写真の神様が
振り向いてくれるようになりました。
だからこそ自分の原点である、この写真が大事なんです。
ちゃんと写真展には大伸ばししたの持っていきますね(^^)

>kabunさん
時間、機材、場所、被写体がうまく合致した、写真の
神様の素敵は配慮ですね。
もっとお気楽に神様も見つけたいですね。
実物の写真はwebとは違う雰囲気です。
ちゃんと持っていきますよ(^^)

_ コットン ― 2007年02月16日 23時15分31秒

ホント、素敵な写真ですね。
レンズもごく普通のズームですし、フィルムもごく普通のネガフィルム。
でも、最高のシャッターチャンスをものになさっていらっしゃる・・・。
写真を撮るって、機材だけじゃないんだなー、と改めて感じております。
ちょっと、最近(いつも^^;)、機材で悩んでいるものですから・・・。
こんなときはこんなレンズでなんてあれこれ考えるのでなく、とにかく撮ってナンボなんだなーと反省してます(*^_^*)

_ ogawa ― 2007年02月17日 10時10分00秒

>コットンさん
この頃、Ai対応のNikkorレンズは35mmと70~210mm
のズームしか持っていなかったのです。
それにあんまりお金がなかったのでポジが買えなかった、
というのが現実でした。
機材で悩むのは私も同じですよ。
今の写真の方がレンズも良いのを使って、ポジを使って
いますが、この写真を見ると「それだけじゃない」と
自分自身一番感じているんです。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログのキーワードは?
答:大人の遊び
と下に書いてください。(スパム対策です。)

コメント:

トラックバック