たまには本気でアルバム・レビュー2005年12月26日 11時00分49秒

ライブアルバム

最近、音楽CDを買うのはもっぱらAmazonでネット注文です。
クリックして2~3日後に届くし、新作は予約を入れておけば発売日には手元にとどくので便利なもんです。

クリスマスイブの日、夕食の予約の時間までに間がありましたので、時間つぶしにとタワーレコードによりました。
CDショップに行くなんて3年ぶりぐらいだったでしょうか。

軽い気持ちでCDをチェックしていたら、「えっ、こんなアルバム出ていたの?」と次々ほしいアルバムを発見。
ジャコ・パストリアスの1979年のドイツでのソロ・パフォーマンスのライブやパット・メセニーの1980年代のライブ「travel」の再販、松岡直也の新作、そしてこの日の最大の収穫は・・・CASIOPEAとThe SQUAREが組んで2003年11月3都市4回だけジョイントライブを行った、その実況版。

「CASIOPEA vs The SQUARE LIVE」
見つけた瞬間、「ウソだろ!いつ発売されてたんだ」と確認したら2004年。
ライブがあったことも知らなかったし、ましてアルバムになっているなんて。
両グループとも日本のフュージョンシーンを20年以上にわたって引っ張り続けているトップグループで、そのグループがジョイントするなんて垂涎物の企画です。

オープニングはThe SQUAREの初期の名作「Omens Of Love」
いきなり安藤まさひろ(s)の柔らかいギターに野呂一生(c)の鋭いギターが絡んでくる、 バックの神保彰(c)と則竹裕之(s)のツインドラムが一糸乱れずリズムを刻んでいく、 そこに伊藤たけしのサックスが絡んでいく、・・・分厚いサウンドで両バンドが融合しつつもそれぞれのバンドの個性がはっきりと出ている・・・オーディオのボリュームを上げた。
つづけてCASIOPEAの名曲「Looking Up」
CASIOPEAのビートのきいた演奏に伊藤のサックスがメロディーラインに乗ってくる、なんて艶っぽいんだ。
向谷実(c)のキーボードのポップで軽やかな演奏。
そして、それを支えるドラムとベース。
ゾクゾクしてきたよ。

実際のライブではこの後、それぞれのバンドのライブに移行したそうですが、アルバムではカットされていて、その後、楽器の競演から再録されています。

安藤と野呂のアコーステック・ギターの掛け合い、「Capioiani」(c)
まぎれもなく日本のトップギタリストの2人、剛と柔の競演、 次の曲はキーボード、その次はドラムと楽器の掛け合いの競演は続いてく。
このころになると、私はスピーカーの前の一番良いポジションで立ったまま聞いていました。「ナニナニしながら聞く」なんてとてもできない。
ウィスキーグラス持ったまま立っていました。

楽器の競演も終わり、再び9人が揃って「Japanese Soul Brotehrs」(s)と「Fightman」(c)とそれぞれパートをつないでアドリブで演奏していくとうスリリングな展開。
もうたまんない。
そして最後、まずThe SQUAREのヒット曲、あのフジTVの「F1グランプリ」のオープングテーマ曲「Truth」。
ただでさえ格好いい曲なのに、伊藤のサックスのメロディーラインに野呂のギターが絡み、向谷のフル音階を使ったシンセがかみこんでいく。
一気に加速・・・車に乗って聞いていたらアクセル踏み込みそうだ。
おそらくライブ会場は観客総立ち状態だっただろう。

そして続いてCASIOPEAのヒット曲「Asayake」になだれ込んでいく。
メインのメロディーラインはCASIOPEAにはサックスプレーヤーがいないので、野呂のギターと向谷のキーボードになるのだが、今回は伊藤のサックスがメロディーラインを取り、安藤のギターも野呂と対照的な音色を奏でていく。
ツインドラムは一糸乱れずリズムをたたき出す。
音が飛ぶ・・・フルスピード!
こんな格好よくてゾクゾクさせる「Asayake」初めて聞いたよ。

The SQUAREは現在、T-SQUAREとして伊藤と安藤の2人で活動中、 CASIOPEAもメンバーが一人入れ替わっている。
今回はこのライブのためだけの再結成だったとのこと。
そして両バンドとも「本気」で取り組んだライブパフォーマンス・・・それが良くわかる最高にクールなアルバムです。

このライブ知っていたら絶対に行っていただろうな。
かえすがえすも残念!

たまにはちゃんとCDショップ覗かなきゃ。