「大阪弁の詰め合わせ」を読んで大阪弁を考える2006年12月15日 00時10分50秒

わかぎえふ

1年ほど前にも、このblogで「大阪弁の秘密」(わかぎえふ著)を紹介しましたけど、再び、わかぎえふの文庫の紹介です。
「大阪弁の詰め合わせ」(講談社文庫)が発売されました。
「謝ったたらええんかな?」「ドツボ」「いててや」「嘘?ほんま?」などなど、大阪の夕刊紙に連載されていた大阪弁の個々のエッセイが80話、辞書のように50音順で収録されいます。
大阪の劇団の主宰者でもあるわかぎ氏のエッセイは、どれも「そうそう、これこれ当たっている」という感じでうなずいたり笑ってしまいます。

著者も読んだと書いていますが、以前に私もPHP文庫「大阪人と日本人」という本を読んだことがあります。(大阪人は、大阪人について書かれた本は喜んで読む習性があります。ちょっと古くは「大阪学」(大谷晃一著)は関西で一番売れたといいます。)
その中で「地方なまりを恥ずかしいと思っている人の割合」という項目で、最下位は東京、46位は神奈川・・・そりゃそうだろう。
そして大阪が45位、京都が43位、奈良が42位と軒並み関西が並んでいます。
だから関西人は何処へ行っても関西弁を喋ると言われる所以ですね。
だれも標準語で話す気がないしなぁ・・・ハハ

最近は吉本のせいか、阪神が強いからか以前よりドラマとかでひどい大阪弁が減ってきました。
よくあった設定では主人公のグループの一人にベタベタの大阪弁を喋るキャラクターがいて、大阪商人の言葉や「オンドリャー」などの河内弁を誇張したセリフで、大阪人からすると「なんちゅー大阪弁しゃべっとるねん、そんな言葉使わへんで。」とテレビに向かってぼやいたものでした。

私のblogは関西圏以外に人も多く読んでくれているので、大阪人(関西人)が無意識で話してしまう例をあげてみましょう。

「そのゴミほっといて!」(標準語訳:そのゴミ捨ててください。)
決して「そのままにして」という意味ではありません。

「そのホウキなおしといて!」(標準語訳:そのホウキ片付けてください。)
決して「修理して」という意味ではありません。

「そこに置いたあるサラの紙使てや」(標準語訳:そこに置いている新しい紙を使ってください。)

就職するまで、ほとんど東京に行ったことの無かった私は、東京本社の人間とやり取りするとき「意味が通じない」ということに驚いたものです。
(私にとって海外より東京のほうが遠かった・・・ホント)
東京「ogawaくん、例の書類どうした?」
私「ああ、あれですか、ほってしまいました。」
東京「ほった・・・って? どういう意味??」
というような会話は日常茶飯事で、これは関西でしか通じないんだとカルチャーショックを受けたものでした。

さて話を戻しますが、「大阪弁の詰め合わせ」を読んでいる時は目は字を追っていますが頭の中では声出して呼んでいます。
それで意味もわかるし、自己体験も重なって面白みもわかります。
だから電車の中で無防備で笑ってしまい、恥ずかしい思いをしてしまいます。

ただ、この本を関西以外の人が読んでも「ふ~ん大阪の人って面白いなあ。」という感想はもっても読み方がわからないので面白みは半減するだろうな。
私も時々、自分のblogや人様のblogのコメントにわざと大阪弁を使って書く時がありますが、やはり話し言葉であって書き言葉で無いと感じます。

本の最後に書いてありますが「標準語が基礎ならば、大阪弁は応用編」
納得ですね。人と人とのコミュニケーションツールなので、柔らかい喋りと意味、相手を立てた言葉が多くあります。
それを知るにはうってつけの本です。

何なに?「生の大阪弁を聞きたいって?」・・・私と会えばいくらでも話しまっせ、いかが・・・だれか突っ込んでなぁ。

コメント

_ あはず ― 2006年12月14日 23時47分03秒

その昔、埼玉から尼崎に越してきた転校生がおりました。当時、小学校2年生。

担任の先生に「これ、ほかしといて」と言われてキョトン。

…懐かしい思い出です。

ちなみに鶏肉のことを「かしわ」と呼ぶと知ったのは中学時代でした。

_ 三谷眞紀 ― 2006年12月15日 06時57分20秒

はり?だれも突っ込んでない。
>私と会えばいくらでも話しまっせ、いかが・・・
こんなテでだれが釣れるんだぁー?

(一応、つっこんどきましたが)

_ K国 ― 2006年12月15日 07時49分29秒

九州はある意味イエスノーがハッキリしている世界
好き好かんはストレートに言います
その点関西方面は、好きや無いとかあかんのんちゃうとかワンクッションある表現をします
権力が近くにあってはっきり物を言えないからとか、専門家が言ってるのを聞いたことがある
大阪弁に博多弁ユーモアがあってリズムのいい方言
の所から芸能人が多い気がするのですが

_ ogawa ― 2006年12月15日 12時37分15秒

>あはずくん
私の時も関東からの転校生で言葉が通じず困っていました。
私も転勤族で転校生だったのですが、親が関西出身
なので大阪弁は身についていたので助かりました(^^;;
「かしわ」と「鶏肉」は別の肉だと思ってました。

>眞紀さん
突っ込みありがとうございました。
もっとベタは大阪風でいきますと
「うん話したってもええで・・・で、いくら払ってくれるんや。」
という感じです。
たいがい「損得」「お金」が絡んできます・・・ハハ

>K国さん
そうでしたね大分弁も博多弁も九州言葉はハッキリ
していましたね。
大阪は京都の隣なので権力が近くにあったというも
ありますが、商人の町だったので上手く商売をする
ために発達したという意見もあります。
どちらにしても柔らかい言葉で好きですよ。
関西は吉本という大御所がありますが、福岡も芸能人
多いですよね・・・確かに。

_ ぴよ ― 2006年12月17日 18時53分33秒

昨日は忘年会お疲れ様でしたー!

名古屋は東京でもなく関西でもなく、中途半端な地域。
でも方言は関西寄りですね。
「ほって」→「捨てて」は名古屋でも使いますよ。
片付ける事は「かたす」って言うかな?

東京在住中、熱いコーヒー缶を相手に渡す時に
「チンチンやで気を付けてなー」(チンチン→名古屋弁でとても熱い、の意)
と言ったら周囲がドン引きしました。ううぅ(涙)

_ ogawa ― 2006年12月17日 21時28分34秒

>ぴよ姉
昨日はひさびさにお会いできて楽しかったです。
ヒロさんもさらに大きくなって・・・フフ
大勢の人間を拉致したみたいで・・・さすが!

「チンチン」は代理店じだいに名古屋支社の人に
教えてもらいました・・・初めて聞いたときビックリ
しましたけどね。
いやぁ、面白い!

_ 那由他 ― 2006年12月18日 10時43分29秒

ogawaxさん、こちらでは、はじめまして。

関西の言葉、私も常用者です。

関東から転校してきた子供さんが、友達の家に行って、「その箱、開けたら、あかん。」と言われたのを、「開かない」という意味ととって、開けてみせ、「簡単に、開いたよ。」と言ったとか。

それから、京都では、「しんどい」ことを、「えらい」といいます。
この「しんどい」も方言でしょうか?
「あ~、しんど・・・」(あ~、疲れた。)を「あ~、えらぁ。」と言ったりします。

「コテコテ大阪弁訳聖書」っていう本があるんですが、とても関西人には、親しみやすいです。

_ 那由他 ― 2006年12月18日 10時44分26秒

ogawaさんのお名前、タイプミスしてました。
失礼しました。

_ ogawa ― 2006年12月18日 20時43分04秒

>那由他さん
こちらへようこそお越しくださいました。
「開けたらあかん」もよう使います。
「えらい」という言葉もよく使いますねぇ。
また大阪弁と京都弁は微妙に違いますよね。
京都、滋賀の人は「しやさかいに」はよう使いますよね、
これは大阪では使わないです。

「コテコテ大阪弁訳聖書」ですか・・・面白そう、探してみます。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログのキーワードは?
答:大人の遊び
と下に書いてください。(スパム対策です。)

コメント:

トラックバック